【3号刀】
身幅広く、反り浅め、大切っ先の豪壮な南北朝期の姿、棒樋に添え樋。
地金は板目よく詰み、黒く澄んだ肌(澄肌)が所々に現れる。
刃文は匂口のよく締まった直刃で逆がかったねずみ足が入る。
帽子はのたれて先小丸に返る。
「毛利元康所持 依此刀利埋忠摺上」と金象嵌銘がある。
入札の80%は青江であった。
兼光の入札もあり、兼光であれば浅い湾れ刃が多く締まった直刃は少ないとのこと。
【4号刀】
身幅広く反りつく、重ねは薄くない、刀樋に連樋。
南北朝中期の姿。
地金は板目詰み映り立つ、小さく丸い澄肌が2・3か所出る。
刃文は匂い口締まった直刃、逆あし入る。
帽子は先やや尖り気味に返る。
3号と同様の出来、来や信国の入札あり、共に刃は締まらず沸え出来となるとのこと。
【5号刀】
身幅広く少し反りつく、重ねは尋常、刀樋に連樋。
南北朝中期の姿、地金は板目やや肌立ち幅広く棒映り風立つ、刃文は匂い出来、のたれに互の目交じり総体に小模様。
帽子は先がとがって返り表は刃方に倒れる。
長義の入札あり、姿は同じであるが長義は刃に耳形の乱れが交じり、もう少し沸えがつくとのこと。
【執筆:塾生・青山篤志】
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