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霜華塾 新着情報

2023/9/3 霜華塾 霜華塾についてはこちら
第4回霜華塾は6月に続いて9月3日に開催されました。既に9月に入りましたが、空は快晴で朝から残暑ならぬ猛暑で、隣の広大な入鹿池も日照りのためかなり水位が下がっていて、赤茶色の山肌を見せていました。
猛暑にもかかわらず先生以下会員の皆さんが参集して名刀を鑑賞させて頂きました。
今回も普段お目にかかることができない貴重な名品を鑑賞させて頂き、大変有意義な一日となりまして誠にありがとうございました。

◇鑑定刀
1号刀 冠落造短刀 銘 大和國尻懸住則長
暦応三六月日六十九 重要刀剣
 
2号刀 短刀 銘 鎌倉國人行光 元享二年三月  
3号刀 脇差 銘 長谷部國平 貞治三年二月日
重要刀剣
 
4号刀 短刀 銘 備前國住長船源兵衛尉祐定
入江与三太郎 天文二年八月日
5号刀 平造脇差 銘 葵紋以南蛮鉄越前康継
於武州江戸作之
 

◇先生の解説等
【1号刀】
刃長約24.8cm、内反り、重ねやや厚く、庵棟、板目流れ映り立ち、細直刃、締まった匂い口、帽子は掃きかけ深く返る。
鎌倉後期の姿が色濃く、茎も振り袖形、冠落造りは当麻に多く、他に了戒、新藤五國光、来國光など、入札も了戒、則長、当麻などが多かった。
見所は、板目が流れている所、映りもあり、物打ちの焼きが高い、沸が強くなり二重刃、食違い刃など。
帽子が掃きかけている点は了戒より大和物へ行くべき。

 

【1号刀】
刃長約24cm、反りなし、幅、重ね頃合い、三ツ棟、鎌倉後期の姿、大板目、湯走り、飛び焼き、刃境判然とせず、沸よく付き、砂流し、金筋しきりに入る。
正宗、則重札が多かった。

 


【2号刀】
刃長24cm、反りなし、三ツ棟、大板目に杢混じり太い地景入る。
のたれに互の目、沸よく付き、刃境判然とせず、太い金線、砂流ししきりに入り、帽子は大丸風、裏焼詰め風。相州物の中では珍しい。
行光は新藤五國光の弟子の中で一番の兄貴分で、行光、正宗、則重らがいる。
姿形は鎌倉中期~後期の姿。
身幅頃合い、八寸前後、三ツ棟で、備前景光、来國俊と同時代。
行光は在銘が数点のみ。
これは有名な刀だがどこにあるか分からなかった。
入札は則重札が多く、他に正宗札など。
行光は作域が広い。
無銘の重要刀剣で圧倒的に多いのは行光で、見所は沸が強い所。


【3号刀】
刃長約32cm、反り約0.6cm、幅広く、重ね薄く三ツ棟、大板目に杢混じり流れて肌立ち、のたれに互の目に沸よくつく。
長谷部國重、國信は多いが國平は数点のみ。
身幅広く重ね薄く延文貞治の姿。
村正の札もあったが村正は重ね厚くフクラ枯れて匂い本位。
これも互の目と互の目の間を直刃で繋いでいる所があるが。
長谷部はのたれ基調に互の目、帽子が大丸風、刃寄り棟寄りが柾がかる。


【4号刀】
刃長約30cm、反り約0.3cm、幅頃合い、重ね厚く庵棟、板目流れて淡く映り立ち、互の目、帽子の返りが元まで返 り互の目で皆焼となり金線入る。
この刀を祐定と見るのは難しい。
室町時代末期はどこでも皆焼をやっている。
入札も相州、冬広、関、備前など。皆焼も一番多いのは末備前。


【5号刀】
刃長約38cm、反り約0.6cm、身幅広く、重ね厚く、三ツ棟、板目流れて棟寄り柾風、物打ちから切先にかけて丁子、以下様々な互の目、小沸付き金線かかり、帽子は三品風、裏はやや倒れる。
今日よく覚えてほしい。
寸延びて重ね厚く身幅広い。
常の康継の浅いのたれに互の目の刃紋とは少し違い、多くが國路、國廣札。
帽子は三品、國路、康継などの帽子。
堀川派は大板目肌立ち地沸がつくざんぐり肌。
越前鉄もよく似るがこちらは板目流れ白けてカス立ち鉄が黒ずみ、匂い口が、匂い、沸、匂い、とバラつく。
【執筆:塾生・川嵜太久馬】

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2023/6/18 霜華塾 霜華塾についてはこちら
第3回霜華塾は晴天でした。
いるか池には釣り人が多くいました。
すがすがしい初夏風に誘われて鑑定入札合間に休憩

◇鑑定刀
1号刀 太刀 光忠
重要刀剣
2号刀 太刀 真利
重要刀剣
3号刀 脇差 無銘 重要刀剣
4号刀 脇差 備前長船祐定
裏年紀:永正元年二月日
5号刀 脇差 和泉守藤原國貞
6号刀 脇差 津田越前守助広
裏年紀:寛文十年二月日

【1号刀】
刃長2尺4寸5分、幅広で鳥居反り、猪首風切先で 鎌倉中期の姿、ハバキ元にわずかに踏張りがある。板目 肌に乱れ映りがあるので備前物と考えられる。刃紋 は蛙子丁子があることから、鎌倉中期の備前物で蛙 子丁子をやっている刀工と考えると、光忠、長光、 真守、助真、福岡一文字などが考えられる。刃中に 金筋、砂流しがあり、むっくりした蛙子丁子から長 光ではないかと考えられる。刃中に尖り刃があるの で、長光の初期の作品と思われる。 吉房の札があったが、吉房なら袋がかった丁子や角 ばった丁子が混ざるはずである。 この太刀の銘は、“長光”の“長”を削って、“光“の下に” 忠”の字を切ってあるが、銘が元のままの長光ならも うひとランク上の太刀となるであろう。

 


【2号刀】
福岡一文字真利の太刀である。 一文字、守家、助真の札がありました。地金は肌立 ち心であり、映りはわずかに立っている。守家だと 肌立った物があるが、焼き幅に高低がそんなにはな い。この太刀には焼幅に高低があり、一文字とみる べきである。 姿は、元先の差が少しでて、猪首切先にはなってい ないが刃紋は、小沸えがかっているので鎌倉中期か ら後期始めにかけての姿で、1号刀より少し時代が 下がった姿である。吉岡一文字や則房なら、匂い本 位で、逆がかった刃があるはずである。

 


【3号刀】
大磨り上げ無銘の小太刀。小太刀一文字である。 鎌倉時代の備前物には刃中にも働きがありというこ とをおさえておくことが必要。匂い出来であるとこ ろから一文字と考えられる。応永備前なら杢目肌が 出て、刃中の働きがなく、腰開きの互の目の刃紋が 出るはずである。


【4号刀】
備前長船祐定銘の脇指。年紀が永正元年二月日で、 彦兵衛尉祐定である。 寸法は1尺7寸から8寸と短く、先反りがあり、 茎が短い片手打ちの刀である。文明から明応にかけ ては短い刀が流行り、長くても2尺程度である。 この刀には棒樋に添え樋が彫ってあるが、それらが ない状態で考えると鎬地を盗んでいることがわかる。 永正頃の刀に2尺3寸から2尺4寸のものもある。 孫六兼元、兼定、忠光、宗光など、2尺4寸5分の ものもあるが、全体の約10%程度で、これらは主に 侍大将などの注文打ちで数は少ない。この刀の刃紋 は複式互の目になっているが、盛光なら腰開き互の 目がみられるはずである。棒樋に添え樋の彫り物は この時代によくあり、重ねは少し厚い。関物なら重 ねが薄いはずである。勝光、忠光、則光などの札が あった。時代を外していないし、いい札である。


【5号刀】
和泉守藤原國貞、親國貞の脇指である。 1の札で当てた方が2名おられ、立派でした。 小沸え出来で、差し裏に直ぐの焼出しがあり、棟焼 きがあり、刃紋の焼きが高い。国儔風の作品。長さ が1尺3、4寸で幅広で、切先の伸びた先反りの鎬 作りの姿は寛永頃の作品。 この時代には、冠作りや菖蒲作り、おそらく作りな どいろいろな姿のものがある。地金は小板目肌で直 ぐの焼出しがあり、もの打ち当たりの焼きが強く、 返りが深く、棟焼きがある。三つ頭付近に飛び焼き があるところから、親國貞と考えられる。越前康継 なら地金が黒く肌だつし、堀川国広ならザングリと した肌であり、三品でもない。


【6号刀】
津田越前守助広の脇指で、寛文十年二月日の裏年紀 がある。助広が30歳前後の元気なころの作品。ず っしりと重く健全で、重ねも厚い。 なんといっても地金がよく、綺麗である。この脇指 を、新々刀と見て、水心子や左行秀の札がありまし たが、新々刀で無地風の場合は、いわゆるナメクジ 肌と呼ばれる鍛接面が出るがこの脇指にはそれがな い。よく見ると小板目がよく詰んで綺麗な肌となっ ている。この地金がいいのが一番の魅力となってい る。刃紋は濤瀾乱れになっていないが(助広の刃紋 の40%は直刃)、浅くのたれて匂い深く、匂口が明 るく冴えて、奉書紙を割いたような匂い深い刃紋は 助広である。井上真改なら、地金に地景が目だち、 錵が荒めで、特にもの打ち付近の錵が強いのが特徴 である。

【執筆:塾生・川端友二】

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1号刀から4号刀は匂い。
5号刀と6号刀は沸え。


鎌倉期の在銘は最も貴重である事と、基本の 匂い・沸えの美しさが理解できる最上作の 出題刀でした。特徴が大きく二分している。 時代の変化を示している名刀でした。

【霜華塾代表:山田】

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2023/3/19 霜華塾 霜華塾についてはこちら
第2回霜華塾は1月に続いて3月19日に開催されました。 まだ3月ですが晴れて暖かく、隣の広大な入鹿池には沢山のボートが浮かぶ暖かい日和で、先生以下多くの会員が参集して名刀を鑑賞させて頂きました。特に今回は普段お目にかかることが少ない相州伝のお刀で、しかも名品を鑑賞させて頂き、大変有意義な一日となりありがとうございました。

池12590              池12573

◇鑑定刀
1号刀 短刀
相州住行光 元享ニ年ニ月
 
2号刀
大磨上げ金象嵌行光 薫山花押
重要刀剣
 
3号刀
大磨上げ金象嵌則重 薫山花押
重要刀剣
 
4号刀
大磨上げ金象嵌貞宗 光○花押
重要刀剣
5号刀 太刀
藤嶋友重 重要刀剣
 

◇先生の解説(全般)
本日は相州伝の刀を持ってきました。
相州伝の祖、新藤五國光は元は粟田口派、鎌倉中期 を少し下った頃で、直刃、地刃沸つき地景、金筋入 る。國廣、弟子に行光、則重、正宗(十哲に兼氏、左 文字、國重、長義、兼光、金重など)。
国宝122点のうち9点が正宗、室町以降にはない。 重要文化財約700点あるが新々刀はゼロで、新々刀 の重要美術品は清麿、直胤、左行秀などのみ。
行光については在銘は数振りのみで前田家伝来の 国宝、徳川家伝来、個人所有の特別重要刀剣など。
重要刀剣で行光極めは80点ほどあり、作域の広い 刀工。
相州に見えて、国光、則重、正宗、当麻でもないもの が行光極め。沸がつき地景、金筋が入るのが特徴。

鑑賞刀12264          鑑賞刀12305

 

【1号刀】
刃長約24cm、反りなし、幅、重ね頃合い、三ツ棟 、鎌倉後期の姿、大板目、湯走り、飛び焼き、刃境判 然とせず、沸よく付き、砂流し、金筋しきりに入る。 正宗、則重札が多かった。

 


【2号刀】
刃長約75cm、反り約1.5cm、棒樋、幅広く重ね厚 く、庵棟、板目に地沸付き、匂い口深く沸つき、直 ぐ調に互の目、帽子は直ぐに小丸に返る。殆どが 来國光札でいい札、鎌倉後期の姿、地景、地沸が見 事、小沸出来、物打ち広目、刃中に金筋、上品に小丸 に返る。
國光の代作もやっている。元に二重刃が入るのも 行光で、相州上工にも当麻にも見える。


【3号刀】
刃長72.2cm、反り約2.2cm、幅、元先頃合い、重ね 厚く庵棟、大板目に杢うねうねと松皮風、のたれに 刃境判然とせず、太い砂流し、金筋幾重にも入る。 則重の在銘刀は殆どなく数点のみ、短刀は相当ある 、刀は短刀より鉄がきれい、短刀は松皮肌が多くが さついた感じがある、鎌倉後期の姿、正宗札もあっ たが多くは則重札。


【4号刀】
刃長約73cm、反り約0.8cm、幅広く元先開かず大 切先、棒樋、樋先下がり、のたれに互の目、貞宗も様 々な作風あり、國廣、康継も写している、浅いのたれ 基調で兼光札も多かったが、一の札で当たりもおら れる。しかし地鉄が沸えている、刃中に細かな金筋 が入る、樋が上手で南北朝姿。

入札13052            入札14013

【5号刀】
刃長約68cm、反り約2.5cm、身幅、元先、重ね頃合 い、板目流れて柾目、のたれに元に丁字、互の目、小 互の目尖り刃交え、砂流し、金筋二重三重に入り、帽 子も金筋入り、少し返る。友重は後になると牛の角 刃が入るが、この太刀にもその片鱗をうかがわせ る。大和、美濃、備前気質が入る。
室町初期 応永前期。

【執筆:塾生・川嵜太久馬】

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今日の出題刀(相州伝)には美濃物の一源流の (兼氏)(金重)が学んだ相州伝には特別な思 いがありました。 正宗の兄弟子、(相州住行光)の沸え・特有の 地の働きの勉強になり、正宗と相弟子の則重の 絶妙な鍛え肌は刃中まであらわれていた。 新藤五国光が創始した相州伝は(行光・正宗・ 則重)により完成させた名刀を心いくまで探究 できました。

【霜華塾代表:山田】

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2023/1/22 霜華塾 霜華塾についてはこちら
講師の先生のご厚意により、お正月らしい銘品を用意していただき、 貴重な銘品を手に取って鑑賞する大変有意義な勉強会となりました。

◇鑑定刀
1号刀 太刀 銘正恒  
2号刀 短刀 銘國廣  
3号刀 銘日州住國廣作
裏銘天正十四年十一月日
 
4号刀 銘堀川國廣
5号刀 脇差 銘近江大掾藤原忠廣
裏銘延寶二年八月日
 

【1号刀】
長寸で腰反り、踏ん張りがありウブの優美な平安末期から鎌倉初期 の太刀姿。茎も反っており、約800年前の姿のままで、目釘穴1個 の在銘である。
この平安末期から鎌倉初期にかけての太刀には、作者により地金に はいろいろ異なった作風があるが、この年代はどの刀にもすべて映 りがあり、小沸え出来であるという共通点をおさえておくことが重 要である。

 


【2号刀】
國廣の作刀年間は天正四年ごろから慶長十八年まで31年間あるが、 天正年間の國廣はなかなか見れないので、3号刀とともに、國廣の 天正打ちを鑑賞する貴重な機会となりました。
國廣の天正打ちは、慶長年間の堀川打ちの作風とガラッと違い、 美濃物のようなところと末相州のようなところとが見受けられるの が特長で、2号刀と3号刀にもそれが伺える。
この短刀には大黒の彫り物があり、虎徹の札がありましたが、虎徹 には、短刀が少ないのと、國廣の彫は深いのが特長で、大黒は多く られるが、國廣は大黒を指し裏に彫り、顔が刃に向いていることも 特徴である。

 


【3号刀】
長さが2尺1寸から2寸ほどで、先反りがあり、彫り物から末備 前の札がありました。2号刀同様に、美濃物と末相州を足して2で 割ったような作風で、関風の尖り刃や矢筈刃が混じり、末相州風 に物打ちあたりの焼きが高く、錵のバラツキがあり、彫が深い。


【4号刀】
長寸(2尺4寸)で切先が伸び、元先の幅差が少なく反りが浅い、 慶長新刀の姿。波紋が直刃でなので國廣らしからぬ刀で、今回の 中では鑑定が難しい刀である。しかしながら、よく見ると地金が ザングリとしていて、?元に水影がたっており、國廣の特長を示 している。
この時期の國廣は作風が志津風に変わり、波紋のたれに互の目が 混じり、物打ち付近に大具の目を焼いているのが特長である。


【5号刀】
直刃の脇差で、帽子の波紋がフクラに沿って返っており、典型的 な肥前刀の特長を示している。ずっしりと重く健全な脇差。刃に 二重刃のようなところがあり、茎の鑢目が勝手上がりになってい るので、3代の代作かも知れない。

【執筆:塾生・川端友二】

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古備前を代表する名刀、正恒には「国宝・重要文化財」に指定 されたものが殆どです。著名な美術館の所蔵品が多い。

塾生の皆さんはお正月の鑑定刀は極名品である期待に添うように皆さんは優秀でした。
令和5年の新年第一回の成績は天位賞 ・地位賞・人位賞、受賞。

【霜華塾代表:山田】

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