【4号刀】
清磨の天保十五年の作品。その頃清磨は萩から小諸に戻っていた、いわゆる小諸打ちの刀である。肌と波紋:板目が流れ、備前伝の丁子の中に沸えが絡んで、刃中にしきりに金筋、砂流しがかかる。
姿 :長寸で腰反り、フクラが枯れて鋭利な造り。
天保年間には3尺を越える長い刀が長州や作州津山で流行った。細川正義にも3尺を越える刀がある。
【5号刀】
固山宗次の天保七年、34歳の時の作品。天保年間が固山宗次の最盛期でありいい作品が集中している。
見どころは地金がきれいで、刃紋は丁子主体となっている。宗次は長運斎綱俊に習ったと言われている。
帽子は乱れ込んで先が尖った宗次帽子である。
典型的な天保年間の新々刀の姿である。
【6号刀】
大摺り上げ無銘の参考刀。
鎬地が高く地肌が正目が目立つところから大和物と見た人が多く、有俊の札があった。
二重刃風の飛び焼があり、綾小路あるいは古備前とも考えられる。
【執筆:塾生・川端友二】
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