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霜華塾 新着情報

2020/12/06 霜華塾 霜華塾についてはこちら

第3回霜華塾は10月に続いて12月6日に開催されました。
師走ですが晴れて暖かく、隣の広大な入鹿池には沢山のボートが浮かぶうららかな日和で、先生以下多くの会員が参集して名刀を鑑賞させて頂きました。

◇鑑定刀
1号 短刀 銘 備州長船兼光延文五年十月日  
2号 平造脇差 銘 安吉  
3号 平造脇差 銘 平安城住國路 慶長十七年  
4号 脇差 銘 以南蛮鉄於武州江戸
(裏に)越前康継
5号 脇差 銘 肥前國忠吉  
6号 平造脇差 正秀 寛政三年  

◇先生の解説(全般)
本日は主に南北朝、慶長時代の刀を持ってきました。
南北朝時代中期は幅広で短刀でも1尺を越える大振りな姿が多い。
中には、長義、兼氏、左等は小振りが多い。
重ねはあまり薄くないが特に薄いのは長谷部一派、青江、三原など。
慶長新刀とは慶長、元和、寛永頃で、幅広く、重ね厚く、切先が延びる。
脇差は1尺7、8寸は少なくて1尺5寸位が多い。
柳生流の影響という説もある。
またやや先反りがあり、薙刀直し、片切り刃、冠落としなど様々な造り込みがある。

【1号刀】
刃長約28cm、反り約0.1cm、幅、重ね頃合い、三ツ棟、板目に杢目肌立ち、淡い映り、片落ち互の目、匂い出来、匂い口やや深く、帽子 乱れて尖り返る。
延文五年の年期。
多くが景光の札。
兼光は備前の正系で姿は鎌倉時代後期に近い姿。
一の札で兼光札が4名の方。景光は地鉄がいい。
これは少し肌立ち大肌が混じり、少し反りもある。
片落ち互の目は景光、兼光、元重、大宮盛景など。

【2号刀】
刃長約35cm、反り約0.3cm、棒樋に添え樋、幅広く重ね頃合い、三ツ棟、板目に柾がかり肌立ち、棒映り鮮明、のたれに互の目に様々な刃、匂い出来で匂い口明るく、帽子は乱れ込み倒れ裏はやや尖り返る。
刃区も健全で重ねも薄くない。
安吉は左文字の弟子。
刀は江雪左文字など少なくて多くは短刀。
政宗十哲と言われ九州にあって画期的な刀。
左は沸出来で安吉は匂い出来で幅の広い棒映りが出る。
青江の棒映りは二段三段に出る。
これは幅の広いもの。
兼光札が多かったが3名の方が一の札で安吉。
板目に柾がかり匂い出来のたれに互の目、尖り刃、角ばる刃交え、物打ちの焼きが広く、帽子が突き上げて倒れている。
兼光は刃紋がのたれならのたれ、互の目なら互の目となる。

【3号刀】
刃長約38cm、反り約0.3cm、幅広く重ねやや厚く三ツ棟、手持ち重く、板目に杢目肌立ち棟寄り流れて、淡く映り立ち、のたれに出入りある互の目逆がかり、沸付き匂い口深く細かい金線しきりに入る。
帽子乱れたるんでやや尖って返る。
慶長17年の作で重ねがやや厚目で、帽子は三作風、沸出来互の目が逆がかり、板目が流れてザングリしていて、それほど難しい刀ではない。

【4号刀】
刃長約48cm、反り約1.5cm、幅広く元先開かず中切先延び重ね頃合い、板目流れて鎬地柾目、のたれに互の目に飛び焼き棟焼きかかり 皆焼、帽子焼き深く直ぐに尖り返る。
康継は大阪城落城の際色々な名刀の再刃をやっている。
慶長の皆焼きは他には伊豫掾宗次がおり、忠吉も皆焼き風がある。
大和大掾正則も兼房風がある。
一の札当たりは3名の方。
綱廣札も何名かいて、義助、冬廣札もあり。
帽子が返りが深く鎬地の柾が強い所が見所。

【5号刀】
刃長約43cm、反り約1.5cm、幅広く元先開かず、大切先(刃長の約1/4)、のたれに互の目丁字、沸よく付き、谷に沸こごる。
帽子やや倒れる。
今日一番難しい刀で清麿の札が多かった。
忠吉は慶長、元和、寛永に渡り作刀。
しいて言うなら谷に沸がこごっている所で、正廣、行廣あたりの肥前傍系に入れば十分。

【6号刀】
刃長約44cm、反り約0.8cm、幅広く重ねやや厚く三ツ棟、表に不動、裏に護摩箸の彫り。
地鉄はよく詰み、短い焼き出しに出入り激しく棟にまでかかる互の目丁字、匂い出来、刃鉄は肌物風に十数本の金線かかり、帽子はやや尖り返る。
幅広く寸が延びて、新々刀期も南北朝時代を真似たものがある。
正秀は濤乱刃、復古刀の他にこういう相州伝もやっている。
姿は新々刀で直胤、正義全て当たり。
水心子には肌物がある。
月山の札もあり同然あげたい位。
不動の化身は鶏で火炎はトサカになっている。
肌物は水心子、直胤、月山、元平、正義、下原、会津兼定、水戸刀工など。

【執筆:塾生・川嵜太久馬】

今年の霜華塾は新型コロナウイルスの影響はなく、無事に学ぶことができました。
来年も、奥義ある名刀鑑賞に敬意して、楽しく学びましょう。

【霜華塾代表:山田】

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2020/10/04 霜華塾 霜華塾についてはこちら

久々の霜華塾で、出席者も多く、名品を鑑賞でき大変有意義でした。
塾生皆様の方々も同じ気持ちではないかと思います。

◇鑑定刀
1号 太刀 銘 真守造  
2号 太刀 大磨り上げ無銘  
3号 銘 近江守法城寺橘正弘  
4号 脇差 銘 奥大和守平朝臣元平
5号 短刀 銘 左行秀  

【1号刀】
姿:長寸で踏張りがあり小切先で優美な立ち姿

刃紋:小沸出来。
小互の目の刃紋、刃中に金筋がしきりに入り、映りが立ち地斑映りのような暗帯もあり、古備前の札が圧倒的に多かった。
古一文字あるいは古伯耆と見た方もおられた。
古備前、古一文字、古伯耆あるいは古青江でも良い見方である。
小沸え出来であるので通常は鎌倉初期には持って行けないが、平安・鎌倉初期ならば、もっと反りがあってもいいはずである。
帽子がたるみ込んで小丸に返るところをおさえること。

【2号刀】
姿:幅広で、はばき元と切先の身幅の差が少なく、切先が伸びた南北朝の姿で健全。手持ちが重い。

刃紋:鎌倉後期から南北朝初期にかけての地刃。
匂口の締まった中直刃仕立てで刃中に逆足と鼠足、帽子の下の物打ち付近に四段の段映りがあり、佩き裏の帽子は尖って返る。
地には澄肌が見られる。以上の事からほとんどの方が青江の札であった。

【3号刀】
姿:長寸で反りが少なくはばき元と切先の身幅の差があり、いわゆる寛文新刀の姿。

刃紋:虎徹に似た数珠刃風の互の目で、沸えで谷を構成している。
姿も刃紋も虎徹に似ているが、これはこの時代虎徹に人気があり、虎徹風の刀の需要があったためと考えられる。
ただし、虎徹であれば、匂口がもっと冴え、互の目が単独であり、沸えで谷が繋がらない。
また虎徹なら、はばき元には直ぐの焼き出しがあり、帽子に掃きかけがあるはずである。

【4号刀】
姿:重ねが厚く身幅があり切先の伸びた、手持ちの重たい新々刀の姿。

刃紋:尖り刃で沸えが荒く、物打ち付近に金筋砂流しがある。
新々刀で尖り刃というところから元平の札が多かった。
一方、新々刀で、清磨風に見え相州伝風で尖り刃があるところから御勝山という札もあったが御勝山なら三つ棟であるはず。

【5号刀】
これは難しい短刀である。
新々刀で直刃の名人といえば左行秀であるが、短刀は少ないので、左行秀の札を出すのは難しい。
左行秀にはこういう短刀があると覚えておくこと。
ちなみに、虎徹、真改、助広の短刀は少ない。

【執筆:塾生・川端友二様】

会場もGo To トラベル事業で土曜・日曜・祭日・予約でいっぱいなようです。
久々に皆様に会え、お変わりなくお元気で、刀に対しての熱意がうれしかった。
室内は、広く、大きな窓を開けて、山々からの秋風が心地よく、第2回名刀鑑賞は、有意義な一日でした。

【霜華塾代表:山田】

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2020/8/2 本年度第2回霜華塾中止

新型コロナウィルスの感染の収束を期待しておりましたが、各地で緊急事態宣言が解除後最多の陽性者が判明し、新型コロナウィルスの感染拡大の新たな局面を迎えています。

この状況を慎重に検討した結果、先月ご案内申し上げました本年度第2回(8月2日開催)及び霜華塾は中止とさせていただきます。

尚、8月30日開催予定の霜華塾に関しましては、今後の新型コロナウィルスの感染状況を注視しながら、適切に対処してまいりたいと存じます。

誠に申し訳ございませんが、何卒皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
末筆ながら、塾生の皆様におかれましては、くれぐれもコロナに気を付けてお過ごしいただき、またの再会を楽しみにしております。


20/05/31 第二回霜華塾新型コロナ拡大防止により中止。

新型コロナウィルスの感染拡大が続いています。この感染拡大を防止するため先週、全国都道府県に対象を広げた、政府の緊急事態宣言が改めて出され、新たな局面に入っています。

霜華塾では、この現状を重く受け止め、3月に続き、5月31に開催予定の令和2年度第3回の霜華塾も中止を決定いたしました。尚、7月以降の開催日程に関しましては、新型コロナウィルスの感染拡大の状況及び政府の基本方針を注視しながら、開催可能かどうか引き続き検討して参ります。何卒会員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

会員の皆様におかれましては、社会変化の中、健康と安全に十分留意され、またの再開を楽しみにしております。


新型コロナウイルスにより令和2年第二回霜華塾中止

承知の通り、各地での新型コロナウィルス感染の拡大ニュースが報道され、北海道での新型コロナウィルス緊急事態宣言や政府からの突然の休校要請など慌ただしい動きがあります。

これら昨今の状況を鑑み、慎重に検討を重ねて参りましたが、3月22日開催予定の令和2年第二回の霜華塾に関しましては中止とし、下記の通り5月に開催をすることとなりました。
ご理解とご協力をお願いしたいと存じます。


2020/01/26 霜華塾 霜華塾についてはこちら

令和2年第一回霜華塾と新年懇親会を1月26日、 犬山市の入鹿の里で開催。
今年の冬はまだ雪が降らず、窓から見える入鹿池には、ボートで釣りを楽しむ人が大勢見られる中で、今回は5本の名刀を鑑定、鑑賞した。

◇鑑定刀
1号 太刀 無銘 三池  
2号 大磨上無銘 保昌 金象嵌  
3号 太刀 額銘 備中国住次直 金象嵌  
4号 短刀 当麻 (朱銘)
5号 脇差 於南紀重国造之  

【1号刀】古極め、光常折紙があり、三池と極まる。
鎌倉中期の作と見える。
一見すると鎌倉期の畿内の刀工と見るが、棒樋が太く浅いこと、丸棟は九州独特のものである点を見落とさないようにしたい。
この特徴を捉え、1の札での当たりが2名。
お見事です。
三池と言えば、前田家伝来の大典太、久能山東照宮所蔵の徳川家康所持、ソハヤノツルキが有名。
三池は平安期から室町期まで続いており、三池極めで目にするものは、平安期は誠に少なく、本刀と同様に鎌倉期以降のものが多い。

【2号刀】柾目肌がうねるように流れ、地沸厚く、沸出来の直刃などを見れば、保昌と見ることはできる。
刀剣書籍などには、保昌在銘の太刀、刀は現存しないと書かれているものがあり、刀、太刀で保昌と極めにくいことがある。
しかしながら江戸期の押型には在銘作が掲載されており、金象嵌からも慶長ごろに在銘の太刀を磨上げたことがわかる名品である。

【3号刀】次直個銘当たりはわずかであったが、独特の肌 、映り、姿、刃中の逆足などから多くの人が1の札で青江。
霜華塾の皆さんは、青江についてはよく理解されているように感じる。
次直=逆丁子が多いと理解していることからあえて次直としなかった人もいたのでは。
歴史上で著名な人物の差料であり、非常に貴重、健全であった。

【4号刀】平造り、三つ棟、地金は小杢目詰み、大板目流れる。のたれ調の小乱れ、刃縁ほつれる。
地刃に小沸つく。
小沸出来だが、本刀のように古刀期のものには映りがあるものもある。
ベテランさんは1の札で当麻と極められていた。

【5号刀】今回、最も難問であった。寸延短刀で多くの人が南北朝期とみていた。
正解者は僅かに1名のみ。
慶長新刀とは見ず、古三原、大和系の短刀への入札が多く見られ、2の札以降で国包などの入札がみられた。
重国は大和系の出身者だが、短刀は郷写し、志津写しなど相州伝の写し物に名品が多く、大和伝を思い浮かべるのは非常に困難だったのでは。
大ベテランさんが3回入札しても当たらないほどの難問であった。

今回は難問が多く、最高点・天位は90点。
今年最初ということで、全員が希少な刀剣書籍などを賞品としていただきました。
【執筆・塾生:堀場起成様】

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