平成30年の開催に向け、会則などを決定した。 今回は、鎌倉中期、南北朝、慶長新刀、新々刀の名刀を鑑賞。
1号刀は、時代の姿を正確に捉え、福岡一文字の入札が多数。本阿弥光忠極め、長寸、健全で貴重な作品。光忠を直接見る機会は貴重。 3号は時代を古く見て南北朝期の信国の札があり、相州伝上工に見える国廣の高い技量ゆえか。
今回の和歌 光忠の、冴えや映りに、魅せられて、師走の 午後に、寒さ忘るる日向より、諸国を巡り、 技磨く、名を成すまでに、耐えし寒さよ (詠み人 塾生 瓢戸斎)
平成29年 第5回 9月3日開催。 9月に入り、少し過ごしやすい陽気でした。
1号は1尺を超える南北朝期の寸延短刀。廣光の当たり多数。 3号は板目肌よくつみ、地沸つき、刃文は小のたれ、小互の目混じり、小足、葉入り、飛び焼き混じる。国宝の「へし切長谷部」に似る。 5号刀は、末備前の短刀と見ればよし。
今回の和歌 早秋に、相州見たり、皆焼の、地棟湯 走り、飛び焼きかかる (詠み人 塾生 瓢戸斎) 【和歌のエピソード】 ひたすらの名品を鑑賞致しました。 山城・相州・備前の皆焼きの特徴を学びました。
平成29年、第4回7月23日開催。 猛暑が続く日々だが、豪雨災害も各地で頻発。 先日は犬山市でも豪雨があり、落雷で犬山城天守閣の鯱が破損したとニュースになった。
1号は大切先の脇差。武蔵大掾藤原忠廣に改称後、寛永元年以降によく見られる姿。 3号の地金は抜群。藩政時代は肥前佐賀藩主鍋島家が所持。 4号には、肥前の他、石堂、大阪新刀の忠綱などの札あり。石堂なら映りが出ることが多い、大阪新刀系統の丁子とはやや異なる。 これらの点や帽子の形状、地金から肥前刀と見たい。
備前かな、しばし待たれよ、渦が巻く、台風ならぬ、 なおたねの鉄(かね)武蔵より、近江を越えて、 陸奥に行く、技を偲びし、夏の午後かな (詠み人 塾生 瓢戸斎) 【句エピソード】 肥前刀の特徴・相違点を表している。
平成29年、第3回5月7日開催。 ゴールデンウイーク最終日、早くも行く春を惜しむかのような心地よい陽気。暑い季節がすぐそこまで近づく。短刀を中心に7振の刀を鑑定、鑑賞した。
ひたつらの、ふくら枯れたる、姿見て、若葉の頃に、 むろまち偲ぶ寸詰まり、備前にあらず、初夏の日に、 思いおこせよ、そぼろなりけり (詠み人 塾生 瓢戸斎) 【句エピソード】 室町期の短刀の特徴を詠い季語、若葉は情景を誘う
●5月鑑定刀 長さ :2尺0寸8厘 形状:鎬作り、反りやや浅い。 鍛え:小杢目、淡く映りたつ。 刃文:小丁子乱れ、一見すると末備前に似る。 ★ヒント:大阪新刀で最上大業物。短めの刀が多い。子は濤瀾乱で有名。
平成29年第2回開催。 例年なら桜が開花する時期でも今年はまだ寒く、開花はしばらく先になりそう。 霜華塾の創設者、山田良一氏のご逝去に伴い、参加者全員が遺影を前に黙祷。 山田氏のご冥福を祈るとともに、刀剣に触れて学ぶ機会を大切にしてきた故人の遺志を尊重し、霜華塾の存続と、さらなる発展を目指していく。 当日は、6振の名刀を鑑賞。
亡き人を、忍ぶ脇指、仰ぎ見て、尊き教え、 思う春の日限りあり、花も命も、儚き身、 刀に誓う、日々の精進 (詠み人 塾生 瓢戸斎)
●3月鑑定刀 長さ :一尺九寸六分 形状:鎬作り、小切先。 鍛え:小沸出来、板目なれど肌立たず。 刃文:古雅な小乱れ主体な刃文に金筋などかかる。一見すると古備前に似る。 ★ヒント:国宝 童子切安綱の一類
平成29年第一回開催。 数日前から寒波による影響で降雪も心配されたが、幸運にも天候は大きく崩れず。26人が出席。健全貴重な名刀をじっくり鑑定、鑑賞しました。
初春の 寒さを凌ぐ 沸の冴え 沸も乱れも 映す 年(とせ)かな、蛙子は 備前か京か 鎌倉の 時を 伝えし 春の山風 【句エピソード】 二字国俊を拝見した塾生の和歌
●1月鑑定刀 長さ :二尺四寸一分 大磨上無銘 形状:鎬造 庵棟 身幅広く、猪鋒。 鍛え:小板目、地沸つき、沸映りたつ。 刃文:直刃調丁子に小乱れ交じり、腰元は蛙子を交えた丁子乱れ。総体匂本位、小沸 つき足や葉入る。 鋩子:乱れ込み先突き上げ気味。 ★ヒント:来国行の子と伝う