刀剣春日堂BLOG


« 謹賀新年 | Blog TOP | 正真正銘の(初代)兼元 »

2023年02月02日

斎藤宗祐の遺品の説明会

令和5年1月22日 霜華塾開催時にて当講師より、ふれあいセンターの方々(調査隊)に斎藤宗祐の遺品である太刀、兼縄(花押)斎藤宗祐所持之(特別保存刀剣鑑定書)の説明の機会を設けました。

富加ふれあいセンターから予め2点の質問内容については下記のとおり

1、なぜ、室町時代の美濃物と分かるのか?
2、「兼縄」と「斎藤宗祐所持之」の書体が違うように見えるが、表裏の銘は制作された同時に切られたものではなく、斎藤宗祐所持之については後代(かなり下る)に切られ たものでないのか?

所見
1・刀剣の鑑定技術(知識)は室町時代から始まり、現在に至り五ヶ伝の鑑定学は確立している。 美濃伝の特徴は、棒映り立ち、板目流れ、刃文は尖互の目得意とし、鎬地柾流れ、匂いできであるところが特徴である。この太刀も上記と同じ作である。審査の結果、兼縄(花押)斎藤宗祐所持之として鑑定し特別保存刀剣と証している。

2・当時は刀が支流であるが、太刀としての注文打ちであり、宗 祐には特別な意味の品であった事が分かる。書体は異なるが鏨から制作同時に切られたと見ても無理でない。また、兼縄は磨り上げられていることから、宗祐没後に家臣、親族らが受け継ぎ、下賜され後、短く磨り上げられ、宗祐の大切な所持品ある事から銘を入れたとも考えられる。

茎の錆の状態から磨り上げは没後(宗裕(1542)天文十一年5月7日病死)から10年後程(天文末〜弘治)に行われていると見る。

見解
現在 斎藤宗祐について関市ふれあいセンターの関係者の皆様により調査が行われておりす。
これまで約4年の歳月に渡り各寺社や名家の古文書からようやく本城山(小野城)の城主であったことがほぼ確定できる状況までになりましたが、まだ初期の段階です。

そうした中、初めて唯一の遺品「太刀、兼縄(花押)斎藤宗祐所持之」が発見により開示され、 しかも日本美術刀剣保存協会より特別保存刀剣と証されていることから正真正銘な証拠となり、それはこれまでの調査の裏付けとなる貴重な資料(材料)となりまし
た。私としましては、これをもって更なる発展・展開に繋げていくためには、是非ふれあいセンターの方々に「刀剣から歴史を学ぶ」重要性を知っていただくことに期待します。

さらなる発展 関市と斎藤宗祐 当時の美濃関の情勢 刀と武将など ありとあらゆる 考えられることを想定し時の状況を探る必要性を重んずる。

投稿者 kasugado : 2023年02月02日 10:50

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.touken-kasugado.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/215

コメント

コメントしてください




保存しますか?